議会報告

平成30年9月定例会

認知症対策の強化を求める意見書

(平成30年12月21日可決)

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 厚生労働大臣

本  文

世界に例を見ない速度で高齢化が進む我が国において、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症高齢者が約700万人に達すると推計されている。認知症は、誰もが発症し、誰もが認知症の人の介護者となる可能性があるため、認知症対策の強化は極めて重要である。
認知症対策に関する課題は、今や医療・介護だけでなく、地域づくりから生活支援、教育に至るまで多岐にわたっており、施策推進に当たっては、認知症と診断されても、尊厳をもって生きることができる社会の実現とともに、本人の意思を大切にし、家族等にも寄り添っていく姿勢で臨むことが重要である。
また、認知症診断直後に、周囲に相談できる人がいないといったことから、介護の手が行き届かない空白期間が生じやすく、これが症状の悪化をもたらす要因となっている。
さらに、若年性認知症は、働き盛りで発症した場合に、就労や日常生活への影響など、高齢者の認知症と異なる課題が生じることから、相談・支援体制等のきめ細かな対応が必要である。
よって国においては、認知症対策を一層強化するため、下記の事項に取り組むよう強く要望する。

  • 国や地方公共団体をはじめ企業や地域が力を合わせ、認知症の人やその家族を支える社会を構築するため、認知症施策を総合的かつ計画的に推進する基本法を制定すること。
  • 地域包括ケアシステムの実現のために、地域ケア会議等において認知症の人やその家族のニーズ、実践している工夫及び取り組みを収集し、共有・周知するとともに、施策に反映させること。
  • 認知症診断後の空白期間については、本人が必要とする支援や情報につながることができるよう、認知症サポーターの活用やガイドブックを作成することによる支援体制の構築を図ること。
  • 若年性認知症については、若年性認知症支援コーディネーターの効果的・効率的な活動を推進するため、コーディネーターに対する研修など支援体制を整備するとともに、本人の状態に応じた就労継続や社会参加ができる環境の整備を進めること。
  • 認知症の全国規模の疫学調査と疾患登録に基づくビッグデータの蓄積を通し、有効な予防法や行動・心理症状に対する適切な対応など認知症施策の推進に取り組むこと。また、次世代認知症治療薬の開発・早期実用化や最先端の技術を活用した早期診断法の研究開発を進めるとともに、認知症の人の心身の特性に応じたリハビリや介護方法に関する研究を進めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。