議会報告

令和7年2月定例会

意見書

闇バイトによる犯罪の防止に向けた取組のさらなる強化を求める意見書

(令和7年3月17日可決)

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 国家公安委員会委員長
  • 警察庁長官

本  文

近年、主にSNSを通じて犯罪の実行役を募る、いわゆる闇バイトによる犯罪が増加し、その形態は特殊詐欺だけではなく強盗や監禁等にまで拡大し、国民の間に不安が広がっている。
闇バイトでは、短期間で高収入が得られるといったSNS上の投稿に安易に応じることで若者が犯罪に巻き込まれる事例が目立っており、中でも秘匿性の高い通信アプリに誘導され、提供した個人情報を理由に犯罪に加担するまで犯罪組織から執拗な脅迫を受ける事案が後を絶たない。
2023年の刑法犯の検挙人員は全国で183,269人で、うち20歳未満の少年は19,399人と全体の10.6%を占めており、前年の9%から増加している。また闇バイトの応募者の7割を10~20歳代が占めていることと合わせると、若者が犯罪に巻き込まれないための対策が急務と言える。
国においては、啓発動画やターゲッティング広告、教育機関への防犯指導等による周知啓発、「警察相談ダイヤル#9110」の運用などによる対策に取り組み、さらに、身分を秘匿して接触する「仮装身分捜査」の運用ガイドラインとなる実施要領が示されたところである。
しかし現状は、闇バイトによる犯罪は後を絶たず、国民の不安解消に至っていない。
よって国においては、闇バイトによる犯罪の防止に向けた取組のさらなる強化に向け、下記の事項に取り組むよう強く要望する。

  • 闇バイトの実態について、社会的認知度を格段に向上させるため、より訴求力の高い広報啓発を実施するとともに、広報活動の充実・強化を図るための予算を確保すること。
  • 現在運用している「警察相談ダイヤル#9110」に加え、若者が使い慣れているSNS等を利用した相談窓口を設置するなど、相談体制の拡充を図ること。
  • 仮装身分捜査の実施要領が示されたことから、早期に実施体制を整備し、速やかに実行に移すこと。
  • 秘匿性の高い通信アプリが悪用されるという事案もあることから、捜査において必要がある場合には、アプリを運営する事業者に対し、個人情報等の公開を義務づける法整備等の検討を早急に進めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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