議会報告
令和6年12月定例会
意見書
自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める意見書
(令和6年12月20日可決)
提出先
- 衆議院議長
- 参議院議長
- 内閣総理大臣
- 総務大臣
- 財務大臣
- 経済産業大臣
- 国土交通大臣
- 内閣官房長官
- 内閣府特命担当大臣(地方創生)
- 警察庁長官
本 文
高齢化の進展に伴い、高齢者の運転による交通事故が社会問題となっている。2023年における75歳以上の自動車運転免許証の保有者数は、過去10年間で約1.7倍、80歳以上は約1.8倍となっており、今後ますます増えていくことが想定される。
各地方公共団体において運転免許証の自主返納の取組が進められる中で、免許証返納後の移動手段の確保は大きな課題であり、国は免許証返納者への公共交通割引施策等の支援を検討している。一方、日常生活において自家用車の利用が一層普及していることにより乗合バスや鉄道、路面電車の減便・廃止が進み、またバスやタクシーの運転手の成り手も不足するなど、地域住民の生活に欠かせない移動手段の確保が困難となっている。
こうした中、公共交通機関の運行コストの上昇や運転手不足といった課題の解決策として自動運転の導入が期待されており、特に過疎地域や中山間地域など公共交通機関が充実していない地域で暮らす高齢者に向けては、早急に対策を講ずる必要がある。
よって国においては、高齢者が自動車運転免許証の返納後も安心して移動ができるよう、自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を進めるため、下記の事項に取り組むよう強く要望する。
記
- 自動運転移動サービスの導入に当たっては、過疎地域や中山間地域を包含する地方公共団体に寄り添う形で、国の相談窓口の開設や、専門家の派遣等の伴走型の支援体制を整えること。
- 自動運転システムが主体となって車の操縦・制御等を行う国土交通省が定めるレベル4以上の車両の開発を促進するとともに、遠隔操作システムの導入を含めた行政における利活用の仕組みを検討するなど、自動運転車両の実用化に向けた環境整備を加速すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。