議会報告

令和7年2月定例会

意見書

聴覚補助機器等の積極的な活用への支援を求める意見書

(令和7年3月17日可決)

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣

本  文

加齢とともに有病率が高くなる加齢性難聴の患者数は、高齢化の進展に伴いさらに増加することが見込まれている。また、加齢性難聴は脳の活動の低下に加え、コミュニケーション障害や社会活動の減少を来すなど認知症の危険因子の1つとされており、患者の社会的孤立につながる可能性も懸念されている。
難聴への対策としては補聴器の利用が有効であるが、最近では収集した音を増幅して外耳道に送る気導補聴器や、骨導聴力を活用する骨導補聴器のほか、耳の軟骨を振動させて音を伝える軟骨伝導補聴器が開発されるなど、利用者に合った補聴器の選択が可能となっている。
しかし、国内の補聴器の利用率は、難聴と感じている方の15.2%で、そのうち65歳以上の方が占める割合は、僅か17.6%にとどまっている状況である。
急速に高齢化が進む中、補聴器をはじめとする聴覚補助機器等の普及を推進し、介護予防や生活の質の向上、社会参画の促進等を図ることは急務であり、難聴に悩む高齢者に対して地方自治体や医療機関等が早期に発見・介入し、適切な機器等の活用を含めた支援を行うことが重要である。 よって国においては、聴覚補助機器等の積極的な活用を推進するため、下記の事項に取り組むよう強く要望する。

  • 難聴に悩む高齢者が、医師や専門家の助言の下で、自身に合った聴覚補助機器等を積極的に活用できる体制を整備すること。
  • 難聴に悩む高齢者と円滑にコミュニケーションを取れる社会の構築を目指し、合理的配慮の一環として、行政機関の公的窓口等における聴覚補助機器等の配備を促進すること。
  • 社会福祉協議会や福祉施設等と連携した補助制度等の情報提供や個別相談など、普及啓発活動を強力に推進し、聴覚補助機器等のさらなる充実及び普及に向けた環境整備を進めるため、必要な財政措置を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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